横顔だけじゃ、足りなくて
⇒欲
9月中旬になり、学校祭がもう目の前となった。
女子はベストを着だし、男子は半袖を見るのがちらほら。
私も長袖カッターを腕まくりし、その上にベストを着ている女の子の一人。
学校祭、私たちのクラスはかき氷!
定番の模擬店は全て他のクラスに取られてしまった。
『まだ、かき氷楽そうで助かったな?』
「楽そうって!
まぁ、そうだね」
かき氷のシロップ一覧表を見て言う那雲の問に答える。
たこ焼、たい焼き、焼きそば…
それらに比べたら、すごく準備物が少なくて楽かもしれない。
用意するのは、
氷を削る機械
ストロー
カップ
シロップ
ぐらいで済むのだ。
『俺は誰と回ろうかなー…』
隣で小さく呟いた那雲…
そっか。
那雲だけ一人なんだ…
本当なら那雲と回っている予定だったかもしれない…