横顔だけじゃ、足りなくて



髪を手櫛で直しつつ、遠くなった那雲の背中をみつめた。


フレンドリーで、クラスの子みんなと仲がいいから輪に入ってすぐ笑いあっている。





『真彩ちゃんどうかした?』


「うぅん、何でもないよ!
あれ、千加は?」




不思議そうに私を覗き込むイッチー


隣に居るはずの千加は今、準備物の個数などを先生と話し合っているとのこと。


千加は学校祭の実行委員だから。



「千加って呼ぶのだいぶ慣れたんじゃない?」


『うーん…でもまだ恥ずかしい。』



私の隣で背中を丸めて座るイッチー


ほんのり頬を赤らめているのが可愛い…


身長が高いからなのか猫背だ。



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