横顔だけじゃ、足りなくて


『真彩ちゃんのところは何するの?』



今日は天気が良くまだ暖かいので、彗くんと放課後に校舎裏のベンチへ


肩を並べて座った私に彗くんが聞いてきた。




「かき氷」


『かき氷かぁ!
いちごシロップあるかなー』




復唱されると、ちゃんと聞いてくれているんだなぁって思える。


そして、まさかのいちごシロップという言葉に笑いを抑えられなかった。


だって…子供みたいなんだもん!




「ははっ、いちごシロップちゃんとあるよ!」


『やっぱり笑う?
それなら良かった♪
真彩ちゃんは何味が好きなの?』




その質問にかき氷のシロップをいくつも頭に思い浮かべてみる。


いちご、レモン、ブルーハワイ、コーラ、マンゴー、メロン…




「ん〜…、ブルーハワイかな!」




毎年悩みに悩んで結果、ブルーハワイを食べている。


レモンもメロンもいいんだけど…




『大人っぽい』


「そうかなぁ?」


『うん、真彩ちゃんっぽい』




そう肩を揺らしてくすくす笑う彗くん。


この近さにも慣れたこの頃


少し詰めれば完全にくっついてしまう。




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