横顔だけじゃ、足りなくて
彗くんと並んで歩きながら、たい焼きを一つ買って食べ歩く。
私が粒あんで彗くんがカスタード
1口食べて、互いのたい焼きを1口かじった。
そして、二人して笑う
『美味しいね』
「うん!」
今日はずっと二人で居られるんだ。
美味しいもの食べて、笑い合える!
それはすごく幸せなこと。
『あっ、剛と果歩だ』
「えっ!どこどこ!?」
『ははっ、真彩ちゃんには見えないかもねー』
私より頭一つ大きい彗くん。
つまり、その分見えてる世界も違うわけで…
って
「ひどい!」
『ははっ、だって本当のことでしょ?』
「うっ…」
言い返せないのが辛い。
でも私はこの身長差が好き。
歩幅が小さい私に、歩く速度を合わせてくれているのには、嬉しい半分申しわけない気持ちになる。