横顔だけじゃ、足りなくて



彗くんと並んで歩きながら、たい焼きを一つ買って食べ歩く。


私が粒あんで彗くんがカスタード


1口食べて、互いのたい焼きを1口かじった。


そして、二人して笑う




『美味しいね』


「うん!」




今日はずっと二人で居られるんだ。

美味しいもの食べて、笑い合える!

それはすごく幸せなこと。




『あっ、剛と果歩だ』


「えっ!どこどこ!?」


『ははっ、真彩ちゃんには見えないかもねー』



私より頭一つ大きい彗くん。


つまり、その分見えてる世界も違うわけで…


って




「ひどい!」


『ははっ、だって本当のことでしょ?』


「うっ…」




言い返せないのが辛い。


でも私はこの身長差が好き。


歩幅が小さい私に、歩く速度を合わせてくれているのには、嬉しい半分申しわけない気持ちになる。




< 157 / 287 >

この作品をシェア

pagetop