横顔だけじゃ、足りなくて



開始1時間になり、彗くんは持ち場の担当時間ということで、千加とイッチーと回らせてもらっている…


二人の時間を申しわけない。




「真彩楽しんでる?」


「うん!」


『そういえば真彩ちゃん、那雲は?』



千加もハッとして私を見る…


首を横に振る私の肩に千加がそっと手を置く。




「大丈夫だって!
那雲はフレンドリーなんだし、きっとどこか誰かとぶらついてるよ」


『だよね』


「う、うん」




那雲…楽しんでるかな?


私の心配を笑い飛ばした千加は、ベビーカステラを一つ買って食べ始めた。


それを見てイッチーは半分呆れて、だけど笑っている。


うん、大丈夫。

大丈夫だよね!


彗くんが当番の1時間、千加とイッチーと回っていればどこかで会うよね!




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