横顔だけじゃ、足りなくて




剛先輩は新間(ニイマ)という苗字らしい。


新間先輩はしっかり者で、優しく時には厳しいらしい。


果歩さんは男バスのマネージャーとだけあって、千加は見たことのある様子だった。



「あの、果歩さん…」


「ん?
真彩ちゃんどうかしたー?」



私は思い切ってあの先輩の名前を聞いてみた。



「あれは彗!
柊良 彗」


「ひいら すい…」



柊良先輩か


てか、どうして私を一瞬見てスルーなんですか!?


すると私の方に近づいて来た…




『放課後…図書室』




そう私の隣で小さな声で言って、教室を出て行ってしまった。


放課後…図書室


つまり、会えるって意味かな?



「彗の事、気になってる?」


「えっ!?」




果歩さんは小さな声で私に聞いてきた。


さっき柊良先輩が言った時には、果歩さんはちょうどスマホの音が鳴ったので聞こえてなかったみたい。




「少し…」


「ははっ、イイねー!
あっ、私の事は果歩先輩でも、ちゃんでもいいよ!」


「じゃぁ…果歩先輩」


「りょーかい♪」



そうまた果歩先輩は微笑んだ。



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