横顔だけじゃ、足りなくて



-那雲 side-


当番が終わってすぐに、保健室に向かおうとした途中、ゆっくり保健室に戻る先輩が見えた。


外とは違い静かな保健室に足を踏み入れると、ベッドの上で泣いてる先輩と目が合った。


いったい何が合った…?




「那雲くん…」



その声は胸が締めつけられて、気づいたら先輩を抱き締めていた…


そしたら余計に泣き出した先輩…


子供みたいに泣きじゃくる姿は、年上とは思えなかった。




「私…バカみたいだね」


『…』


「好きな人の幸せなんて…本当に願えるのかな…」



好きな人の幸せ…



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