横顔だけじゃ、足りなくて



6限目、ドキドキし過ぎてなかなか授業に集中出来ずにいた。


後30分…

20分…


時刻が迫る度胸の鼓動が高鳴った。


板書を書き写してはいても、現社の内容は頭に入らなかった。


気を和らげるため那雲に目を向けてみるけど、相変わらず寝ている。


この寝顔、何度見てきただろう。


幸せそうな寝顔…


きっと、部活では真剣なんだろなぁ♪


シャーペンの上の部分で、幸せそうに寝る那雲の頬をつついてみた。


するとぎゅっと一度目を瞑り、眠そうに重たい瞼を開けて私を見た。


私はノートに

バカ!

って書いて見せると、那雲はムッと頬を膨らまし怒ったかと思うと起き上がりノートにペンを走らせた。


私にノートを見せてきた…


そこには

バカでいい

どうせ真彩が教えてくれるだろ!

って。


そう見せて笑った那雲。




たぶんね!


今からでも、勉強を教える自分の姿が想像できる。




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