横顔だけじゃ、足りなくて
無理…させてないかな?
そんな事を思ってしまう。
「バイト…忙しかった?」
二人してベンチに腰を下ろしてから聞いてみた。
今まで聞かれなかった質問に彗くんは、一瞬だけ表情を変えた。
『まぁね?
でも、真彩ちゃんに会えると思ったら頑張れた』
「もう…!」
『ははっ、もしかして心配してくれてる?』
うっ…
どうしてバレた…
そっと聞いた質問だったのに。
『真彩ちゃん優しいからね。
でも、俺は大丈夫だよ?』
「本当は疲れてるでしょ?」
『ちょっとだけ。
だけど、真彩ちゃんといるから疲れを忘れるよ』
そうまた笑った彗くん。
ちょっとだけ…その本音が聞けただけで良かった。
すると立ち上がった彗くんは、私に手を差し伸べた。
うん。
私も彗くんの疲れがなくなるように、いっぱい笑おう!
笑って、彗くんのその手を取った。