横顔だけじゃ、足りなくて
年上なんて今まで興味なかったのに…
それ以前に真彩しか見てなかった。
でも、心の中ではもう無理だって分かってた。
和奏に話しかけたのも、ただ寂しかっただけかもしれない。
「あれから私、上手くやってるよ!」
『バイトで?』
「うん!
友達も出来て、先輩方に良くしてもらってる」
振り返って笑う和奏。
良かった…
新たな一歩を踏み出せたんだよな。
通信制の学校はたぶん大丈夫だろって思ってたけど、バイトが気がかりだった。
本人の口から聞けて良かった。
『良かった。』
「ふふっ」
目の前にいる和奏が笑顔溢れていて、一気に心が晴れたよ。
ずっと見ていたい笑顔かもしれないな。
-那雲 side end-