横顔だけじゃ、足りなくて



年上なんて今まで興味なかったのに…


それ以前に真彩しか見てなかった。


でも、心の中ではもう無理だって分かってた。


和奏に話しかけたのも、ただ寂しかっただけかもしれない。




「あれから私、上手くやってるよ!」


『バイトで?』


「うん!
友達も出来て、先輩方に良くしてもらってる」




振り返って笑う和奏。


良かった…


新たな一歩を踏み出せたんだよな。


通信制の学校はたぶん大丈夫だろって思ってたけど、バイトが気がかりだった。


本人の口から聞けて良かった。




『良かった。』


「ふふっ」




目の前にいる和奏が笑顔溢れていて、一気に心が晴れたよ。


ずっと見ていたい笑顔かもしれないな。




-那雲 side end-




< 208 / 287 >

この作品をシェア

pagetop