横顔だけじゃ、足りなくて
あれから少し話した後、戸締りをしっかりして教室を後にした。
外へ一歩踏み出すと、ビュービュー吹く冷たい風。
外は当たり前のように寒く、マフラーなしでは寒すぎる…
『真彩』
咄嗟に顔を上げると、首元に温かいマフラーが巻かれた。
これ、さっきまで彗くんが首に巻いていた緑のチェック柄のマフラーだ…
『マフラー、忘れたんでしょ?』
「なんでわかるの!?」
『さっき、真彩がファイルしまう時に鞄の中にマフラーなかったからね』
良く見てる…
今日は寝坊してしまい、起きてご飯を食べてる最中に那雲が家に向かいに来た。
私のせいで那雲も遅刻にさせてしまった。
慌てて家を出たせいで、マフラーをすっかり忘れてしまっていた。