横顔だけじゃ、足りなくて



でもこれだと彗くんが…



『俺は大丈夫だからさ』



そう笑って言う彗くん。


本当に申しわけない…




「ごめん…」


『いいって!
真彩が風邪引くと困るから』



そして、私の手を優しく握り、彗くんのコートのポケットに入れた。


温かいポケットの中で握る手…


恥ずかしそうに、頬を赤く染める彗くんの横顔。




「あったかい」


『うん』




一つ気付いたことがある。


彗くんは照れてしまうと、口数が少なくなってしまう。




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