横顔だけじゃ、足りなくて



真彩には心配をかけたくはなかった。


それだけだった。


でも、たまにかかってくる和奏からの電話はすごく心を落ち着かされる。


今日はこんな事があったよ!

毎日楽しいよ!


って電話越しに聴こえる和奏のはしゃいだ声を聴くと、和奏は嘘で誤魔化してないってわかる。


和奏は体調を良く心配してくる。

自分もバイトで疲れてるくせに。


真彩との距離が空いた分、和奏との距離が縮まりつつある。




「那雲、無理しないでよ?」


『分かってる』




ほら、心配そうに見てくる。


真彩はアイツの事だけで良いんだよ。


俺は大丈夫だから。




-那雲 side end-




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