横顔だけじゃ、足りなくて
-那雲 side-
真彩が恋…!?
んなバカな!
相手の顔を見たいがため、俺は用もなく先輩たちの教室まで着いてきた。
「なんで那雲くん助けてあげなかったのー?」
『えっ!?
いや…その』
怖かった…つーか、上級生だし。
しまった。
せっかくのチャンスが…
「那雲意外と弱虫なんですよ!」
「えー!?ほんと?」
また千加は余計な事を!
こいつは余計な事しか言わない。
まぁ、確かにガキの頃はそうだった自覚はあるけど。
『那雲、それならレギュラーは遠ざかるな』
『っちょ!
それなら実力で取って見せますよ!』
あーダメだ。
俺はこんな事をしに来たんじゃないんだよ。
頭を掻きながら真彩を見る…