横顔だけじゃ、足りなくて



小さなテーブルを挟んで向かい合う…


上手く那雲を見ることが出来ずに、下を向いてしまう…




「那雲、レギュラー入り…してたんでしょ?」


『…』


「ねぇ…」




どうして何も応えてくれないの?


那雲は下を向いたまま、沈黙が続いてしまった。


あんなにも応援してたのに…




『言えなかった。
その頃、真彩アイツとの距離が広がって、縮めて…付き合った時だったから』




やっぱり…


私に気を使ったんだ。


幼なじみなんだから、気なんて必要ないのに。


いや、私が気を使わせたんだ。




『アイツの事で落ち込んで、やっと付き合えて幸せそうに笑ってる真彩に、言える隙なんてなかったんだよ』


「ごめん…」




< 242 / 287 >

この作品をシェア

pagetop