横顔だけじゃ、足りなくて
バカだなぁ…私。
言えなかった那雲を責めてしまった。
周りが見えてなかった…
『お前は悪くない。
俺こそ、言えなくてごめん』
「うぅん、那雲の優しさから出た行動だったんだもん」
『ば、バカ‼︎』
褒めると耳が赤くなるのは、小さい頃から変わってない。
いつも私に優しかったもんね。
私が嫌な役だったり、嫌な物が当たるとすぐに変えてくれた。
いつもいつも那雲が隣で支えてくれていた。
那雲…ごめんね。
それからありがとう。
「レギュラー入り、おめでとう!」
『ありがと…』
私のお願いごとすぐに叶ってたんだ。
七夕に鶴に書いたお願いごと。
照れる那雲の頬を人差し指で突くと、ムスーとされた。
寝ている時なら可愛いのに!
そう思った矢先、那雲に両手で頬を引っ張られた。