横顔だけじゃ、足りなくて
・*episode 9.
⇒約束
少しでも長く彗くんと一緒に居たい思いから、登校後の少しの時間に彗くんの教室に足を運んでいる。
ドアをゆっくり開けると、窓際の席で新間先輩と果歩先輩と話している姿を見つけた。
「あっ!真彩ちゃんおっはよー!」
私を見つけるなり、頬をすりすりしてきた果歩先輩。
それを見て二人とも『おはよう』と挨拶してくれる。
先輩の教室は、始めものすごく行きずらかったけど、果歩先輩が可愛がってくれるからもうすっかり通いなれた。
「真彩ちゃん、可愛くて評判高いんだよー!」
「えっ!?」
『そうそう、でも誰にも渡さないからね』
す、彗くん!
にっこり笑って私を見る目に、ドキッとして顔が熱くなる。