横顔だけじゃ、足りなくて
そして、いつもの放課後が訪れたとたん…
『ごめん!
今日、学級委員二人に残って欲しい』
担任の鈴原先生が言ってきた。
学級委員とは、私とイッチーの事。
内容は、明日のLHRで使う球技大会のプリント閉じ
さっそく、真面目なイッチーは先輩に遅れると連絡をして教室に戻ってきた。
「私、一人で良かったのに」
『いや、こんなの女の子一人にやらして部活なんて行けないよ』
教室の真ん中の席に置かれたプリントの山…
競技名に注意事項や時間帯などが詳しく書かれてあるプリント、3枚を束ねてホッチキスで留める。
千加は、イッチーに恋してるんだよね!
どういう風に、イッチーを見ているのかな?
「ねぇ、イッチーはいつも千加と何を話してるの?」
これはただの興味本位。
ほんのり頬を赤らめるイッチー…
この反応はもしかして…
『仲里さんとは、勉強でわからないところを教え合ったり…
後は特に共通のバスケの話かな?』
「そっかぁ♪」
千加の今の目標は、イッチーに下の名前で呼んでもらう事
いつもグイグイいく千加だけど、今回は冷静で控えめ。
どうか二人が付き合わないかなぁ?
恋愛をしてこなかった私は、人の幸せを願う事が多い気がする。
恋愛相談もされる事が多かった。