横顔だけじゃ、足りなくて
目の前に広がる光の数々…
やっぱりどれも綺麗な訳で…
それが彗くんの横顔をみつめると、視界に入るからより一層かっこよく思える。
『綺麗だね』
「うん、凄く綺麗…」
一周し終えてから、近くのベンチに腰を降ろしてイルミネーションを眺める。
大袈裟なリアクションは互いにしない主義なせいか、黙って見渡して歩くだけになっていた。
けど、それでも近くで微笑んでくれた。
それだけで嬉しかった。
でも…
横顔だけじゃ、足りない。
『あっ!』
そう言葉を発して、彗くんはベンチから立ち上がり私の前に立った。