横顔だけじゃ、足りなくて



目の前に広がる光の数々…


やっぱりどれも綺麗な訳で…


それが彗くんの横顔をみつめると、視界に入るからより一層かっこよく思える。




『綺麗だね』


「うん、凄く綺麗…」




一周し終えてから、近くのベンチに腰を降ろしてイルミネーションを眺める。


大袈裟なリアクションは互いにしない主義なせいか、黙って見渡して歩くだけになっていた。


けど、それでも近くで微笑んでくれた。


それだけで嬉しかった。


でも…


横顔だけじゃ、足りない。





『あっ!』




そう言葉を発して、彗くんはベンチから立ち上がり私の前に立った。





< 281 / 287 >

この作品をシェア

pagetop