横顔だけじゃ、足りなくて



ギュッと目を瞑った。




『真彩…手、貸して』


「へ?あっ、うん」




寝そべっていた那雲が右手を伸ばしていた。


私は左手で那雲の右手をしっかり掴んで、引き上げた。




『真彩に嫌われるのはごめんだな』


「なにそれー!」




白い歯を見せて笑う那雲を見て、私も笑って見せた。



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