横顔だけじゃ、足りなくて
笑っててよ
その笑顔でずーっと。
「髪に砂ついてるよ」
『じゃぁ、真彩が取ってよ?』
「いいけど…」
『あっ、わり。
チビだし届かねーよな!』
そう笑う那雲。
チビって!
那雲が大きくなったからでしょ?
小さい頃は那雲に勝ってたし!
まぁ…確かに背は低い方だけど。
「じゃぁ、取ってあげなーい!」
『ケチ!
…ほら、早く』
那雲が少し屈んで目を閉じた…
そっと右手を伸ばして、那雲にサラサラした髪を触り砂を落とす…
ったく、那雲ってば!
『サンキューな』
「うん!」