横顔だけじゃ、足りなくて



この小説はもしかしたら、後から連絡先がわかって会ったのかもしれない。


何年かして街で偶然すれ違って、互いにわからなかったかもしれない。

その時、互いに恋人がいたかもしれない。


小説のラストは無限に考えられるから。


未来を思い描く…




「これは…いつから始めたんですか?」


『確か…中1の頃だったかな?』


「そんな前からですか!」




すると先輩がベンチの隣をポンポンと叩いた。


歩み寄って静かに隣に座った。


どうしてかな?


だんだん先輩に引き寄せられる自分がいる…


小説を先輩に返した後、何かを思い出したかのように口を開いた。




『球技大会、何に出るの?
あの時、聞けなかったらね』


「バレーボールです。
先輩は?」


『バスケだよ。』




那雲と同じだ…



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