横顔だけじゃ、足りなくて
⇒球技大会
気付けば球技大会当日
種目別に放送が入り、体育館では女子のバレーボールが始まっている。
応援していた果歩先輩は惜しくも初戦で負けてしまった。
もうすぐで第2セットが始まる…
第1セットは三年生に取られてしまった。
《ピピー》
試合を開始する笛が体育館中に響き、第2セットが始まった。
相手からのサービス…
私のところに来ませんように!
来ませんように!
「はい!」
千加がボールを上手くセッターに返し、センターを守っていた子がなんとか打ってボールを返した。
ホッとため息をつくも、またすぐにボールが返ってくる…
「真彩!」
「うっ…はい」
威力は弱いけどスパイクが私に飛んできた。
ボールは手の先に当たってしまい、思わぬ方向へ飛んでいきワンタッチを取られてしまった…
にしても、ボールが痛い…
腕が直ぐに赤くなる。
「ドンマイ!」
「ごめん」
私のクラスはグダグダでボールを手に当てるのがやっと。
セッターには返らないし、一球目で相手コートに入りチャンスボールを許してしまってばかり。
13対20…
「真彩ナイッサー一本!」
千加たちの声で、深呼吸してサービスを打つ…