横顔だけじゃ、足りなくて
すると、慌てた様子で一人の女の人が走ってコートを見つめていた。
「わ、和奏!?」
わかな?
果歩先輩が驚いた様子でその、和奏さんに近づいた。
お知り合いみたい。
「果歩…」
「最近ずっと見ないから心配してたんだよ?」
戸惑った和奏さん…
これは、私が話を聞かない方が良さそうだ。
コートを走り回る那雲を目で追う…
残念ながら本当の素人からのパスなので、二年生に比べてグダグダだ。
なんとかパスを受け取り、シュートへと持っていくが外れてしまった…
「那雲!頑張って!!」
自分なりに叫んだ!
それもすぐに周りの声にかき消されてしまう。
きっと、那雲には届いてない。
ボールを目で追うから必死なのがよくわかるもん。