横顔だけじゃ、足りなくて
-果歩 side-
久しぶりに見た和奏の姿…
高二になってからクラスが離れて、なかなか会う日がなかった。
そう、昨年まで剛と彗、そして和奏とずっと四人でいた…
だって、彗と和奏は中学の頃から付き合っていたから。
けれど、それは和奏の一方的な感情だったんだ。
振るのが可哀想と思ってしまった彗は、とりあえず付き合ってみたって言っていた。
でも昨年の冬に彗が振ってから、和奏は学校を休みがちになってしまった…
「ごめん…」
「和奏、あれから彗とは?」
「2回会った…」
この目の逸らし方
もしかして和奏、まだ彗の事が!?
そんな…
「やっぱり、諦められなかった。」
「でも彗は!」
「わかってる!!
そんなの、わかってるよ…」
和奏は彗を一目見るとすぐに体育館から出て行った。
だから、彗は私達から距離を置いてるの?
和奏と一緒だった時はそんな事なかった。
もう、何がなんだかわかんないよ!
ねぇ、和奏…
彗を離してあげてよ…
-果歩 side end-