横顔だけじゃ、足りなくて
するりと興味なさげに那雲は向かいで一人、スマホをいじりだした。
『痛っ!』
「聞けって言ってるでしょ!」
『はいはい』
テーブルの下で千加が那雲の足を蹴ったのだろう…
スマホをテーブルの上に置いた那雲。
それを見て千加はにっこり笑って口を開いた。
「あたし、イッチーと付き合う事になりました!
てか付き合って3日経った」
「えぇぇ!?」
『マジ!?』
千加は嬉しそうに頬を赤く染めて、LINEのトーク履歴を見せてきた。
そこには、
俺で本当に良かったの?
とのイッチーに
イッチーじゃなきゃ嫌
と、返事を返していた千加
そのすぐ下には
ありがとう
俺、千加が好き
イッチーはやはりシンプルな文章だ。
絵文字はなく、イッチーらしい返し方
「あー、この下は秘密!
さすがのあたしも恥ずかしい!」
するりとスマホを胸元に当てた千加。
こんなに恥ずかしがる千加は初めて見る…
良かったね、千加!