横顔だけじゃ、足りなくて
あれから千加と色々話をして17時前になってしまった。
二人でお金を払い、お店を出てすぐ千加は帰ってしまった…
1人、お店の前に立っていると、Tシャツにジーンズ姿の柊良先輩がやってきた。
白のVネックに黒のジーンズが良く似合っていて、目を向けるのが恥ずかしい…
『お待たせ、ごめんね?
けっこう待ったよね』
「いえ!
千加と那雲がいたのでそんな…全然!」
軽く先輩は笑うと、歩き出した。
風でサラサラした髪が揺れている
見上げながら先輩を後ろからみつめる…
後ろ姿もやっぱりかっこいいです…
着いた先は誰もいない静かな公園
誰もいない公園のベンチに二人並んで腰を下ろす。
『話って?』
「…先輩が学校にあまり来てない理由に、和奏さんが関係していますよね」
単刀直入すぎた!?
返事が怖くなって目をぎゅっと瞑った。
怒られる…
『和奏の事、どこまで知ってる?』
目を開けて先輩を見ると、先輩は俯いていた。
やっぱり、深い理由があるんだ。
私には関係ないですもんね…
「一度球技大会で見ただけです。
果歩先輩が和奏さんと少し話した後、暗い表情になって…」
『そっか』
この場から今すぐ消えたい…
私なんかが首を突っ込んで良い話な訳がないんだ。
ごめんなさい…