横顔だけじゃ、足りなくて
するとゆっくり右手で自分の顔に置いた本を取り、起き上がった…
すると目がバッチリあってしまった!
黒髪がさらさら揺れて、整った目鼻立ちで…
瞬きされた瞬間のまつ毛が長くて…
『何か用かな?』
その声は優しくて…
「えっ、あ…
その本、もし読んでなかったら…」
『あっ!ごめん!
はい…』
本を閉じ、私の前に差し出された。
手…すごく綺麗。
カッターシャツの第三ボタンが外されているため、鎖骨に目がいってしまった…
『ん?どうかした?』
「い、いえ!
ありがとうございます」
ありがたく本を受け取り、立ち去ろうとした時だった
『隣、もし良かったらどうぞ』
えっ…
振り返ると彼は眼鏡をかけていて、私に優しく微笑んでいる。