横顔だけじゃ、足りなくて
休み時間、勇気を出してちょうど廊下に出ていた明石くんに話しかけてみた。
「あ、あの!」
『ん?
日比野さん、俺になんか用?』
明石くんは、クラスのお調子者でとにかく明るい性格をしている。
いわゆる、クラスのムードメーカー的存在で私は話しかけにくい。
那雲ともよく話しているから、同じ部活に間違いない。
「今日って、部活で何かありますか?」
『んー…。
あっ!
今日、練習試合のレギュラー発表じゃん!』
思い出したのか、急に頭を抱え込み唸りだした!
えっ!?
えー…
とにかく、練習試合のレギュラーメンバー発表があるってことか。
「だ、大丈夫ですか?」
『大丈夫大丈夫!
心配してくれるなんて、日比野さん優しいねー!』
…
やっぱり私には苦手なタイプです。
笑顔が眩しすぎて…
唸ったと思えば、何事もなかったようにおどけて笑った。
一言で言えば忙しい人
表情がコロコロ変わる。
背は那雲より少し高く、髪はワックスを付けてて、チラリとピアスが見えた。
身体付きは割としっかりしてる。
「いえ、では話はこれだけなので…」
教室に入ろうとするといきなり腕をつかまれた!
『また、話そうぜ!』
「えっ!
あ…はい。」
明石くんは誰とでも良く話していて、けっこう女の子達から人気が高い…
と、いうわけでもないらしい。
たらし と言われている。
なかなか女の子にしっかり相手にされていない。
ちょっぴり可哀想…