横顔だけじゃ、足りなくて
お昼休み、サッカー部全員に放送で呼び出しがかかって那雲は行ってしまった。
今日は曇りだけど、外で食べようと校舎裏のベンチへ向かったところ柊良先輩の姿が…
足音で気づかれたのか、私を見てとなりに座るように手招きされた。
『サッカー部が呼び出しだからか』
隣に座ったのを見て、先輩はそう言った。
という事は新間先輩もいないのか。
果歩先輩は他の子と今日は食べているのかな?
「はい…那雲がいないので」
『ほんと二人仲いいね』
「ちゃんと喧嘩もしますよ?」
すると先輩は笑ってサンドイッチを食べた。
サンドイッチに、いちごミルク
まるで女の子みたいな組み合わせだ。
私もお弁当を開けて食べ始める。
『真彩ちゃん、意外と怒るんだ?』
「怒りますよ!
でも、今日は那雲ずっと様子が変なんです…」
『変って?』
「ずっと落ち着きがないんです。
いつも授業中爆睡なのに、今日は起きてるし!
朝、私が待ってるのに今日は那雲が先に着いていたり…」
レギュラーに入れてるかなぁ…
私まで心配で仕方がないよ。