横顔だけじゃ、足りなくて



那雲が気になって気になって…




『ははっ、好きなんだね』


「那雲は好きですよ?
でも、likeの意味で」


『そっか。』




うわ!

会話終わっちゃった!

いつも聞き手だから、何話していいか…

千加や那雲は話が次から次へと出てきて、なかなか話が終わらない。

話上手なスペック欲しいよ…




「あれから…その…どうなんですか?」


『実はというと、和奏とはまだ話せてないんだよね』




話が出たと思ったら暗い話に…


曇り空のせいか、心までモヤモヤする。


お弁当を少し残して鞄にしまう。




「なんかすみません…」


『いや、真彩ちゃんは悪くないよ!
時間はかかってもちゃんと話は着けるから』




俯く先輩の横顔につい、見とれてしまう…


髪の隙間から、こっそり見る。

伏せた睫毛が長くて、首筋が綺麗で…

でも、いつも横顔。




『あっ、今日って七夕だよね!』


「へっ!?あっ、はい」




急に顔を上げたのでびっくりしてしまった。


気を使わせてばかりだ。


話が尽きる私といても楽しくないですよね…




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