横顔だけじゃ、足りなくて



那雲が笑顔になってくれたので、約束だった商店街の七夕飾りへ!


5時過ぎとだけあってか、商店街には子供は少なく、短冊だけが多く吊るされている。


色とりどりの短冊が風で揺れる…


一定間隔に笹が飾ってあり、一本道が短冊で賑やか




『何色にする?
って、真彩は薄ピンクか』


「なんでわかったの!?」


『手につけてるゴム、ポーチ、筆箱、定規、シャーペンみんな薄ピンクだし』




色とりどりの短冊に目を通しながら言われ、あっ!と思う…

いつの間にか小物に薄ピンク色が増えた。

最初好きな色はオレンジだったんだけどなぁー?

なんでだろ?




『おっ、あったあった!
はい、ラス1』


「ラス1!?
良かったぁー、ありがと!」




短冊を受け取り、穴に紐を通す…


まだ短冊の色が決まらない那雲をじっと待つ。


んー…

青?じゃないか。

黄?それもちょっと違うかー

赤?はあんまり…




『オレンジにすっかなー!』


「良いね!」




確かに、オレンジは似合うかな!


二人して距離を少し開けて、お願い事を書いていく…


那雲は何をお願いするんだろ?


私はさっき決めた!


お互い書けたのを確認すると、せーの!で見せ合う



次こそは、レギュラー入り出来ますように!


そう、達筆で書かれてあった。




「自分でなんとかする事だね」


『まぁ…そうなんだけど、逆にお前はもっとこう…ないの?』




私のお願い事は

みんなが幸せでありますように!

という単純…


いざ!

ってなると出てこない。

短冊は人に見られちゃうから。



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