横顔だけじゃ、足りなくて
「あっ!
那雲もやろーよ!」
『何を?』
「鶴にお願い事」
『はっ?』
まぁまぁと黙らせ、オレンジ色の折り紙を渡す。
そして、私も薄ピンク色の折り紙を取り出してお願い事を書いていく…
先輩の時とは違う。
欲を言うと、どっちも叶って欲しい…
でもそれは厳しいかなぁ。
どっちか一つ…
叶って欲しい。
『…鶴ってどう折るの?』
「あれ?
じゃぁ…真似して?」
…
なんとか完成した折り鶴を見て那雲が浮かない顔をする。
『真彩のは綺麗なのになぁ』
「仕方ないよー。
ねっ!交換しない?」
『マジ…?』
「なんか嫌そうだね」
『絶対中見んなよ』
そう言いつつ、私に渡してくれた。
ためらったって事は、さっきとは全然違う種類なのかな?
それこそ、
テストで赤点じゃありませんように!
とか?
でも、お願い事はどうであれ叶うといいなぁー…