横顔だけじゃ、足りなくて
やる気スイッチが入った那雲は、即座に私のノートを見て自分で解こうと頑張っている。
何気に勉強中の那雲は、一生懸命でカッコイイかもしれない。
まぁ、サッカーしてる時の方が何倍も上だ。
二人してどうしてもわからない問題は、那雲が新間先輩に電話をしている。
その度、那雲は先輩に説教を受けてる…
『これ、真彩わかる?』
「…ごめんわかんない」
珍しく着々と理解していく那雲は、気づけば最難問へと解き進めていた。
残念ながら最後の問は、イッチーまでもがわからないと言った問題…
つまり、私にはどうしようも出来ない。
「新間先輩が嫌なら私が柊良先輩に聞いてみようか?」
『嫌!それだけは絶対嫌!』
「えー…。
じゃぁ、私が新間先輩に聞いてみるっていうのは?」
たぶん、柊良先輩に聞くと那雲はすごい不機嫌になる…
ここは、私が動くしかない
すると那雲は頷き、スマホを私に渡した。
そう、私は新間先輩の連絡先を知らない。
すぐに電話をかけてみる…