曇り空
「零〜、
今日はいつにもまして暗いわね」

「千夏さんはいつもより
化粧濃いですね」

「ちょっ、零
零のも濃くするわよ」

「冗談です」

2人で笑いながら鏡ごしに目を合わせる

なんだかんだいって私はこの人とのこんなやりとりが好きだ
母親のような姉のような、そんなポジションにこの人をやっているからだろう

私のなにかかけていたものが少しだけ埋まった気がする

「じゃ、始めるわよ」

そう笑顔で言って私の前髪をピンで留め、化粧を始めていく



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