O♡L
「当たり前だろっ。ニューヨークに行くまでの間に、できる限りの仕事は終わらせておきてぇし」


テーブルに散らばったペンや参考書をカバンの中に慌ててしまう五十嵐課長。


「じゃあ、気を付けて帰れよ!」

課長は軽く手を上げるとカフェを出て行った。


あたしは課長の後ろ姿を見届けて、ふぅ〜っと息を吐く。



“本当にありがとな、小稲”


あのときの課長の笑顔が頭に蘇る。
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