O♡L
バッグを肩にかけ、左手で車のドアを開けようとした。

…そのとき。


「待てよ」


背中から低い声がしたと思ったら、あたしの左腕を五十嵐課長が掴んでいた。

見た目は細いけど、真近で見ると筋肉のついたガッシリとした腕だった。


これじゃ…ドアを開けることもできない。


「…お前、そんなに俺のことキライか?」


驚いて振り返ると、すぐ目の前に五十嵐課長の顔があった。
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