Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
由羅は目を閉じ、自然の音に耳を傾ける。


すると…。


「今日もきてたんだっ」


川辺に腰を下ろす由羅のもとへ現れたのは、竜之助だった。


最初にこの町へきたときに、この川辺で出会った竜之助。

竜之助も家までの帰り道でここを通るらしく、由羅の姿を見かけると声をかけていた。



「うん。この町の人の人柄のよさが、みんな気に入ったみたいで」

「そうか!そう言ってもらえると、嬉しいなぁ」
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