Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「ほんと?ありがとうっ」

「お姉ちゃんがすごくキレイでね。市も大きくなったら、お姉ちゃんみたいな踊り子になるって決めたの!」

「そう。市なら、きっとなれるよ」


由羅は、市に微笑みかける。


純粋無垢な市の笑顔が、由羅には眩しすぎてたまらない。


「お姉ちゃんは、いくつなの?」

「私?私は、17だよ」


椿の答えに、市は両手の指を折り数えていく。
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