Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「しょうがねぇなぁ。それじゃあ、ウチに帰るかっ」


そう言って立ち上がる竜之助に、市は両手を伸ばす。


「おんぶしてー」

「…おんぶ!?お前…7歳にまでなって、おんぶって恥ずかしくないのか?」

「恥ずかしくないもんっ!」


市は、プゥーッと頬を膨らます。


「なに甘えたこと言ってるんだよ。自分で歩けるんだから、さっ、行くぞ」

「ヤダ!おんぶ‼︎」
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