Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「わーい♪」


市は竜之助の話も聞かずに、由羅の背中に抱きついた。


それを見て、申し訳なさそうに眉を下げる竜之助。


「ごめんな。市のワガママなんかに付き合わせて…」

「構わないよっ」

「重くないか?」

「平気!」


由羅は竜之助に、笑って答える。


2人は並んで、竜之助の家へ向かう。


「椿は、店に戻らなくてもいいの?」

「うん。店番は他に任せているから、夕方までに戻れば大丈夫」
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