Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「薬は?飲んだ?」

「心配しなくても、ちゃんと飲みましたよ」


母親に手を添えて、布団に寝かせる竜之助。


「かわいい子だね。見かけない顔だけど、どこの家の子だい?」

「たまに町にきてる、ほら…前に話した商店の子だよ」


どうやら竜之助は、移動商店のことを母親に話していたようだ。


「お前がウチに女の子を連れてくるなんてね」

「そんなんじゃないよっ。ただ、市をおぶってもらってただけ!」
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