Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「お姉ちゃん、またね〜!」


竜之助の母親と市に見送られながら、由羅は竜之助と共に家を出た。



「優しそうなお母さんだね」

「うん、まぁ…普段はっ。怒ると、すっげー怖いけど!」


そう言う竜之助の表情がおもしろくて、由羅から思わず笑みがこぼれた。


2人は他愛のない話をしながら、両脇に田んぼが広がる小道を並んで歩く。


「お母さん、体調…悪いの?」
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