Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「…うん。生まれつき、体が弱いみたいで」

「そうなんだ…。そういうば、竜之助のお父さんは?今は仕事で出かけてるの?」


由羅の問いに、その場の空気が少し変わった。

そして、竜之助は優しく微笑む。


「親父は、もう死んでるんだ」

「…え」


由羅は、竜之助に顔を向ける。


「4年前に戦に出て、そこで死んじまった」


思ってもいなかった答えに、言葉に詰まる由羅。
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