Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
「なにが言いたい?」

「いや、べつにっ。ただ、最近由羅があの男と仲良くしてるのは知ってるから」

「竜之助からは、町の情報を聞き出しているだけだ」

「…とか言って、ちゃっかり名前で呼び合ってるじゃん」


2人の間に、不穏な空気が流れる。

牽制し合うように、お互いの目を見て離さない。


「勝手に言ってろ。それよりも、支度をしたらどうだ?今日も菊葉の城下町だろう?」
< 162 / 587 >

この作品をシェア

pagetop