Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
だから、こんなことは初めてのことだった。


観客たちは気づかなくとも、由羅と颯はいつもと違うことに違和感を抱いていた。


気まずい空気が流れる。


そこへ…。


「おや?今日の演奏はもう終わりか?」


ため息を吐く2人の頭から、そんな声が聞こえた。


…見上げると、白馬に跨がった人物が。


2人がポカンとして見ていると…。


「図が高いぞ、お前たち!頭を下げろ!」
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