Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
刀を差した付き人らしき人物が、由羅たちの前に立ち塞がる。


周りを見渡すと、皆地面に跪き、頭を下げている。

それを見て、由羅と颯もすぐに跪いた。


「よいよい。面を上げよ」


穏やかな口調で、その人物は話しかける。


金の刺繍の入った、高級な生地で縫われた着物。

横には、付き人。

後ろには家来を従えていることから、ただの町人でないことは瞬時にわかった。
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