Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
こんな偶然があるものかと思い、平静を装ってはいるが、内心は戸惑っていた。



そして広い間に、由羅と将軍義秀が向かい合わせで座る。


「実はな、演奏者に関しては困ってはおらんのだよ。笛、琴、太鼓、三味線…。その楽器に優れた者たちを各国からこの城に集めたのだ」

「それは、すばらしいですね」

「しかし、どうにもパッとせんもんでな。なにか華やかになるものを探していたのだ」
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