Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
それを聞いて、由羅は可愛げたっぷりの笑顔を振りまく。


「ありがとうございますっ。嬉しいです」

「そなたは美しすぎるっ。ワシの息子の嫁にしたいものだな」


義秀はそう言って、ガハハと大口を開けて笑う。


「おい、幸秀(ユキヒデ)!おるかっ?」


義秀が呼ぶと、障子の向こう側に影が映った。


「はい、父上。お呼びでしょうか」

「入れ」

「失礼します」
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