Y U R A 〜その忍、黒き蝶の如し〜
低く、どこか落ち着きのある声。


そして現れたのは、高身長に細身の体型の青年だった。


「ワシの息子の幸秀だ」


義秀に紹介され、会釈をする幸秀。

その仕草一つ一つが礼儀正しく、品があった。


義秀に似て目鼻立ちがくっきりとし、色白で整った顔だ。


「お初にお目にかかります。椿と申します」

「幸秀と申します」


幸秀は、ゆっくりと頭を下げる。
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